• 2018/02/04
  • by 道太

うまい酒

ごめんみんな、黙っていたことがある◎


ずっと言わないでおこうかとも思ったんだけど

あまりにもいい夜だったので、つい漏らしてしまう◎



上で言った、みんな、とは青二才スタッフに向けてだ◎



先日、そう、あの日だスーパーなんとかムーンの日だ◎



その日、僕は神保町の隣の大きなビル「三井ビル」さんにて

頼まれて夕方から日本酒の講師をさせてもらった◎


それなりに緊張感のある授業?のようなものが終り

安堵から、ちょっとだけビールでも飲んで帰るか、と

一階の神保町青二才に寄った、ら、とてもありがたいことに忙しくしていて


その中では落ち着いて飲めないや、と思い

二階の土ノ日青二才へ◎


そうしたら、一階以上に忙しくしており

ちょうど大人数のお客様が帰るところで、とてもビールを飲みに来た

などとは言えず、結果、物凄い量のグラス、食器を前に洗い場に入り

黙々とその山を片付けていった◎


その日のスタッフは

神谷、シンヤ、みなみ、フミちゃんだったかな◎


ある程度片付けが終り

んじゃ、帰るかな、と言う時に

シンヤが気を利かせてか


「なら、神谷さんもまだシフトとかの仕事残ってますよね、一緒に帰っちゃったらどうすか?」


などと◎


「そうですよ、ちゃんとやって帰りますから」


フミちゃんはいつもこうだ、あんなに小さな体で、一番踏ん張ってくれてるのに、いつも僕らを甘やかす◎


僕らはシンヤの珍しいその提案とフミちゃんの甘やかしに乗って一緒に帰ることに◎


東西線の竹橋駅に向かう途中のセブンイレブンで缶ビールとハイボールを買い

「おつかれ」と歩道で乾杯をし、歩きながら飲んだ◎


信号を渡り、高架をくぐるとすぐ竹橋駅の入り口がある

普段ならそのまま真っすぐに駅への入口へ吸い込まれていくのだけど


道路を挟んで向こう側の歩道に、初めて屋台があるのを見つけた◎


もう、2年以上この界隈に関わっているが、初めて、だ◎







3秒ぐらいは迷った


僕も神谷も共に大量の仕事を残している

それを見越してシンヤが「先帰っちゃってくださいよ」と言ったのも分かっている


まだ、みんなは仕事をしてくれている



が、気が付いたら吸い込まれていた◎


ごめん◎







寒い冬の夜、さっき買ったばかりのコンビニのビールは横に置き

屋台に座り、冷たい缶ビールをお願いし


再びの乾杯


お客さんは僕ら以外にいなかった



「よく冷えてるな」


とビールについての感想か、空気についての感想か分からない言葉などを話し


何気ない仕事の話を僕らはし始めた◎


普段から、何でも話し合うように見られがちだが

最近は中々そんな時間もなく、それでも久し振りに、とか

滅多にないから、とその時間に気負うこともなく


もう20年以上一緒にいて、一緒の仕事をしている

三十代の男二人と言うだけの自然な時間だった◎



「このお店って、ここ初めてですよね!?」


と店主のおっちゃんに聞くと


「いや、ちょくちょくは来てるよ」


(いや、そんなはずはない、僕ら毎日ここ通ってるもんな)

などとも思いつつ、さらに話を進めると


いつもは東京駅の近くで出ている屋台だと言うことが分かった◎





なぜ、今日はこんなマニアックな竹橋駅に?


「いや、ほら、アレだよアレ」


おっちゃんは


外に目をやり


「今日は、ほらなんとかムーンだろ、何百年かに一度の、な」


どこからどこまでが正確な情報かは分からないけれど

そんなのは関係なかった◎




最近の天気予報は当たりすぎる


雪だの気温だの


願いもむなしく降ってくるし、冷えてくる


子供のころは、晴れ予報の午後からの雨によく濡れながら帰った記憶があるのに



その夜も当初は、曇り予定で

僕らは共に、雲の上でしかその月は見られず

地上からは雲しか見えないから半ばあきらめていたのだった



「今日は月が一番きれいに見える所に出そうと思ってここに来たんだ」


おっちゃんは言った






「俺たまに、なんでこんなところで仕事してるんだろうって思うんだよね」



「俺も思う、ほらあれ経団連のビルだろ、その奥にも大企業ばっかのこんな土地でな」


岐阜から出てきて、もう、人生の半分以上は東京なのに

いまだにきっとずっと思ってる◎



僕らは、寒空の下

月を見ながら、もう一本キンキンのビールを追加した



「いつかはうまい酒飲もうな」


神谷は言った



青二才を作って10年とちょっと


いまなお、山のような問題を抱えながらの日々だ◎


辛い時はいつも神谷と、いつかは必ずうまい酒を飲もうと言いあう


全ての問題が片付き、どこかのビーチか何かで夕焼けでも見ながら


「いやぁ、俺らよく頑張った!乾杯!」


ってなやつだ、きっと◎




「そうだな」


と言い、続けて


「でも、今はしばらく、今日この酒をうまいと思おう」


僕は言った



「そうだな」


と神谷



またしばらく、色んな話をし


ふと見上げると


月食が終わるにつれて

満月に近づくころ






月が


青二才の形になっていた◎





青二才のロゴの月は普段は見られない月の形をしている◎


満月が欠けたようにも見える月


でも、そうじゃない


あくまで満月を目指す月なのだ◎



もうちょっとで満月になる頃


「そろそろ行かないとまずいな」




そうだ、僕らにはまだやることが山のように残っている◎


お互いに同じ方面の地下鉄に乗り


神谷は手前の駅で降りて行った◎






うん、いい夜


うまい酒だった◎



ごめんねみんな、みんながくれたあのひあの時間、ちょっとだけ寄り道しました◎





最後にもう一度だけ!


いい!!??!?


僕らの月は、常に満月に向かう月、目指す月なんだからね!


また今日からよろしくお願いします◎

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