地獄

その一行は
青二才に来る前日、富士山を登ってきたらしい◎

前日の登山による
体力消費を食で挽回しようと
再びスタミナを取り戻そうと

から揚げ地獄に挑んだらしい◎

富士登山の思い出なんかを話しながら
楽しく和気藹々と時と言うものを過ごすことを
楽しみながら青二才で飲むことを意識して訪れたらしい◎

兎にも角にも
新プラン設定後、初の挑戦者◎

一人どれくらい食べるのかも
感覚的にしか分からず、とにかく大量にから揚げを仕込むマー君◎

ご予約席の障子に
筆で、から揚げ地獄の文字を入れる神谷◎

そして、専用のメニューを仕込む僕◎

予約時刻の19時少し前に
一行は到着した◎

その姿を確認するや否や
油の中に大量の鶏肉を投入するマー君◎

障子の前で写真を撮ったり
ツイッターにツイートしてみたりする面々◎

持参したキャベツーを飲んだことで油断して
ファーストオーダーでビールを注文する輩たち◎

とりあえず乾杯◎

暑い日だった◎

おそらくビールは至上にうまいはずだ◎
ぐいぐい飲む面々◎

デジカメで昨日の写真などを見せ合って

グラス半分くらいになったところで

不意に
そのテーブルだけ照明がスーッと落ちていく◎

デンデンデンデーデデンデーデーデー

店内の音楽がかの有名な
ダースベイダーの【インペリアル・マーチ】

そう、あの電波少年で
背中しか見せないTプロデューサーが
アポ無しで芸人の家に向かう時に流れていた
あの音楽◎

それと同時に
運ばれる一発目のから揚げの山◎

その数、20個◎

『おおー!来た来た!』
歓喜の一行◎

店内は再び、明るくなり
『いただきます!』とから揚げの山に
挑む一行◎

『美味しいッス!』
から揚げを絶賛する一行◎

ただ、一人5個くらい食べれば
ま、小腹は満たされてくるわけで

そんな時に再び店内暗転

ジャジャジャ・ジャジャジャ・
ジャジャジャジャジャジャジャジャジャ

聴こえてきたのは
東京タワーだろうが
霞ヶ関ビルだろうが
それこそ、昨日登った富士山だろうが

見境無しに破壊していく生物

そう、ゴジラのテーマ曲だ◎

雰囲気を読み取った一行は
笑いながら

『お。第二段だな』みたいな空気を醸し出し

再び、目の前に置かれた
から揚げ20個の山を見る◎

一山目はものの15分で完食した一行だったが

この二つ目の山には手こずることになる◎

半分くらい倒したところで
箸の進みが明らかに遅くなる◎

そして
会話がだんだんと少なくなってくる◎

それでも
富士山を登った時の達成感に
脳がやられてしまっていた彼らは
そのから揚げの山の先にも何か見えるだろうと

歩を進めるように
箸を進めていく◎

その時

再び店内が暗転。。。

再びインペリアルマーチが。。。

『えーまだ残っているのにー。。。』
絶句する女子たち◎

続く◎

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